利益を生む力
内部監査制度を導入して、経営者の方針がどれだけ現場に浸透しているか、問題点を明らかに!
お悩みの状況
当社(不動産業)では、年度のはじめに部門別予算と経営計画を作成し、それらを月次ベースに落とし込んでいます。そして毎月月次決算が締まったあとに経営会議を開催し、各部門長から業績の状況等について報告させており、かつ、経営サイドからも指示を出しています。このようなことを数年間継続しているのですが、なかなか業績や生産性が上がらず、また現場で起きている問題が適時に伝わってこないという悩みや不安もあります。
どのようにして経営側の考えを現場に浸透させたり、現場の状況を把握すればよいのでしょうか。
解決までの流れ
この会社様のケースでは、私たちは内部監査の機能に着目しました。内部監査については、まず上場企業でない場合はほとんど存在せず、上場企業であっても、形式的な意味合いで設置しているに過ぎず、実質的な役割を与えられていないケースの方が多いのが実情です。この会社様には内部監査部門は存在していましたが、やはり実質的な機能という意味では、希薄といわざるを得ない状況でした。
そこで私どもの方で内部監査機能強化の取り組みをさせていただきました。「PDCAサイクル」の事例でも書きましたが、経営を改善するために必要なプロセスは、①課題の抽出→②解決策の立案→③解決策の実行→④結果の振り返り です。このプロセスを現場レベルで強力に推進することができるのが、まさに内部監査ということになります。経営企画が経営者のビジョンを実行主導する表の役割であるとするならば、内部監査はその実際の実行状況をチェックし、現場を目標地点に導くための裏の役割であるといえます。
このケースでは、まず経営陣の掲げる部門別経営目標を深く理解し、各部門の現状と照らし合わせます。そのうえで、部門長等との協議を進め、部門における課題認識を抽出・共有します。その問題の本質が何なのか、それをクリアするための現実的な施策が見つかっているのか、それを実行する場合の社内における調整事項は何なのか。部門と二人三脚で、一歩一歩前進することで、着実に問題を解決していきました。