利益を生む力
経営のPDCAサイクルは魔法の杖?継続的に利益を上げるための必須アイテム!
お悩みの状況
当社(製造業)では、毎月経営幹部を集めて、定例の会議を行っています。各部門長から前月の状況を報告させて、経営側から指示を出すという具合です。このようなことを繰り返しているのですが、業績の波もありますし、同じような問題が発生することも多いです。なかなか組織としての力が付いているように感じることができません。
解決までの流れ
このような取り組みをされている会社様は少ないですから、それを継続されていること自体、素晴らしいことです。
経営を改善するために必要なプロセスは、①課題の抽出→②解決策の立案→③解決策の実行→④結果の振り返り となります。ここで大切なのが、結果だけを論じるような表面的な議論で済ませずに、深掘りをすることです。①問題の本質が何なのか、突き詰めて分析しているか。②解決策がその問題の本質に適合しているのか。③担当者(部門)が解決策を実行するための具体的な行動方法を理解しているか。④問題が解決したか否かを測定できる手段を持っているか。会社の経営者は、ここまでの確信を得た上で、指示を出す必要があります。
ここでも会計力が威力を発揮します。①売上や原価率など、問題の所在を会計データから客観的に把握します。②解決によって達成すべき目標を具体的に設定します(例えば、原価率を2%下落させる、クレーム発生率を20%低下させるなど)。③④問題の本質をとらえた会計データによって、実行結果を測定することで、改善行動が実際にどの程度の効果をもたらしたのかを客観的に把握します。
このケースでは、経営会議への参加から始めてまずは現状を分析し、問題の掘り下げ方から修正していきました。そのうえで、会計力を生かして問題解決の基準とすべき会計データ(いわゆるKPI)を抽出、関係者と共有を図りました。その後は行動計画を実行に移しながら、KPIの進捗をレビューし、さらに改善行動を繰り返していきました。
経営のPDCAサイクルは、それを形式上実施していれば必ず結果が出るというものではありません。しかしその本質をとらえ深堀して実行していけば、着実に組織の実力が高まり、時代の変化に対応しながら、継続的な利益を生み出す源泉となるのです。